アンチエイジングと健康日記

健康や美容の情報

糖尿病と合併症の怖さ

現在、厚生労働省の調査によると日本では糖尿病と糖尿病予備軍(今後糖尿病になる危険性がある人)を合わせると合計2,050万人いるとされています。

これは5人に1人ということです。

糖尿病は、1型糖尿病、2型糖尿病、その他の疾患に伴う糖尿病に分けられます。

特に2型糖尿病が全体の98%を占めていて、食事や生活習慣などをきっかけになるのはこの2型です。

 

糖尿病の怖さは、無自覚のうちにじわじわと少しずつ障害が進行し、全身に広がっていくことです。気づいたときには、症状が悪化していることも少なくありません。

 

糖尿病が血管の影響を受けやすい病気だということはあまり知られていません。

糖尿病の三大合併症として腎障害、網膜症、神経障害があります。

 

腎臓の主な働きには大きく分けて2つあります。

一つ目は、老廃物をろ過する働きです。腎臓では、糸球体と呼ばれる毛細血管のかたまりと尿細管が絡み合って尿の不純物をろ過しています。

ろ過する過程で老廃物は尿として体外に出せれます。その一方で体に必要なものは再吸収し、体内に止め、再び血液に乗せて運ばせるという働きもしています。

もう一つは、血圧を調整する働きです。

腎臓は、塩分と水分の排出量をコントロールすることによって血圧を下げます。逆に血圧が低いときは塩分と水分の排出量を減らして血圧を下げます。

また腎臓からは血圧を維持するホルモンが分泌されます。そこで血圧が低ければ血圧を上げるのです。

腎臓のはらたきが低下すれば高血圧になり、また高血圧になれば腎臓に負担がかかり、腎臓の機能を低下させてしまいます。

腎臓はまさに毛細血管そのものといってもいいほど、血管の状態に左右されてしまう臓器なのです。

 

糖尿病の合併症の原因は、高血糖による代謝障害です。高血糖の状態が長く続くと、代謝異常が起きて内皮細胞が損なわれ、腎臓の毛細血管もダメージを受けます。

すると毛細血管が正しく機能せず、糖尿病の合併症を起こすことになります。

 

三大合併症の2つめ、網膜症も同様です。

目の奥にある網膜は腎臓と同じように網の目のように張り巡らされた毛細血管によって栄養が供給されています。やはり高血糖の状態が続くことで、毛細血管レベルでの機能障害が出てきます。

症状が進行し広がっていくと視機能が低下し、失明に至ることもあります。糖尿病網膜症は視力の低下などの自覚症状がないまま進行し、症状が出て眼科を訪ねる頃にはかなり進行しているという怖さがあります。

 

3つ目の合併症が神経障害。これもまさに毛細血管の特徴を考えればわかることです。

神経障害は糖尿病の合併症の中でも1番早く現れ、また最もよく見られる障害です。

毛細血管は自律神経と密接に関わっているため、高血糖によって毛細血管がダメージを受けると、神経に届くべき栄養も届かなくなります。それによって手足などの末梢神経の障害も起こります。進行すると内臓の不具合や手足のしびれ、立ちくらみなど全身に様々な障害が出てきます。